続・心友。~もうひとつの想い~
「帰ろっかな……」
バカバカしくなって、ひとり言をそうつぶやいたとき、堂前の言葉が耳に飛んできた。
「キミはマリアのことをよく知らんやろ?」
「え?」
「だったらやめたほうがええで。何も知らんくせに、勝手な想像でひとを中傷するのは」
「堂前……くん?」
「自分の値打ちを下げるだけやから」
よどみなく真っ直ぐに堂前は言った。
「そんな……」
女の子の顔が真っ赤になる。
「そーゆー僕も実はマリアのこと、同じように思ってたんやけどな。でも今は、彼女の明るさと優しさに惹かれてる」
「本気で、つきあってるの……?」
今にも泣き出しそうな顔で見あげるその子を見つめて、堂前は静かにうなずいた。
「でも、受験も大事にするから。心配してくれてありがとう」
少し申し訳なさそうに、そして、とても優しく堂前は言った。