続・心友。~もうひとつの想い~

「そこの部分は、えっと……僕のオリジナル」


「ん?」


「沢渡さんじゃなくて、僕の気持ち」


「あ……、偽彼氏の作り話か」




「いや、マジやから」




そう言った堂前の顔が、ほんのり赤くなり、あわてて彼は照れくさそうに下を向いた。




へ……?


そんな堂前をマリアはキョトンと見あげる。




「あー、いや、わかってる。ゴメン」


と、突然堂前は横に2,3歩移動し、マリアとの距離をぐっと広げた。




「キミにとって僕はただの偽の彼氏で、

あいつを忘れるために、こうして気を紛らわせてるってことは、ちゃんとわかってるし……。


ヘンな気をおこしたりはせーへんから、うん」




それだけ言うと、また平静に戻ったように、堂前はズンズンと歩き始める。




「え、ちょっと待ってよ……」


そんな堂前にタタタッと追いつき、マリアは開いた距離をピタッとつめた。




「えーよ、堂前なら。ヘンな気おこしても……」


なんて耳元にささやいてみる。


< 127 / 133 >

この作品をシェア

pagetop