続・心友。~もうひとつの想い~
「そこの部分は、えっと……僕のオリジナル」
「ん?」
「沢渡さんじゃなくて、僕の気持ち」
「あ……、偽彼氏の作り話か」
「いや、マジやから」
そう言った堂前の顔が、ほんのり赤くなり、あわてて彼は照れくさそうに下を向いた。
へ……?
そんな堂前をマリアはキョトンと見あげる。
「あー、いや、わかってる。ゴメン」
と、突然堂前は横に2,3歩移動し、マリアとの距離をぐっと広げた。
「キミにとって僕はただの偽の彼氏で、
あいつを忘れるために、こうして気を紛らわせてるってことは、ちゃんとわかってるし……。
ヘンな気をおこしたりはせーへんから、うん」
それだけ言うと、また平静に戻ったように、堂前はズンズンと歩き始める。
「え、ちょっと待ってよ……」
そんな堂前にタタタッと追いつき、マリアは開いた距離をピタッとつめた。
「えーよ、堂前なら。ヘンな気おこしても……」
なんて耳元にささやいてみる。