続・心友。~もうひとつの想い~

ささやいた耳が真っ赤になり、


ピタッと堂前は足を止めた。




「あれ? 耳、弱かった?」


「…………」


振り向いた堂前が、ジ……とマリアを見おろす。




「小悪魔とか、男たらしってゆーから、どんな策略で男を手玉にとるのかと思ってたら、


……実はキミ、何も考えてないやろ?」


とあきれたように言う。




「は?」


「小悪魔なんかじゃなくて、

キミの気まぐれな言動に振り回されていくうちに、なんか放っておけなくなるっていうか……


そーゆー感じで、男は落ちていくんやなってわかった」


堂前がそう解説した。




「アホやなぁ。それが小悪魔ってことやんか……」


ポソッと小さな声でマリアは言い返す。




「えっ、そーゆーこと……?」


堂前が大真面目にそう訊き返すから、マリアは思わず笑ってしまった。




「堂前、賢いくせに、超純情~」



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