続・心友。~もうひとつの想い~

笑われてムッスリと立ち尽くす堂前の顔を、マリアが上目づかいにのぞき込む。。


「ウチの小悪魔テクにやられちゃったかな?」


「は? キミのはテクニックって言わんから。ただの天然やん」


堂前も負けてはいない。


「だから、天然やと思ってる時点で、あんたはもう騙されてるねん」


「えっ」


と、堂前はギョッとした顔をする。




「あはは、ウソウソ。冗談やで。

堂前にはかなり本音の部分を見られてるからな……」


なんてマリアは鼻の頭をかいた。



「もうわからん。お手上げや」


堂前の端正な顔が困惑している。




「てことは、あんたはもう、

ウチのことが放っておけなくなってる……とか?」




『そんなわけあるか!』と怒られるのを承知でマリアはからかったのに、堂前はボソッとつぶやいた。





「だって、泣いてたから」




あ……


だから放っておけなくなって、手を引いてくれてたのか、とマリアは思いあたる。



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