続・心友。~もうひとつの想い~

真面目な堂前の優しさに、


心の中が……ぽかぽかと、温かくなって、


ちょっと泣きそうなくらいにジーンとした……。




「優しいな、堂前は」


マリアが見あげると、


「何それ」


と彼はプイッと横を向く。




プフフ、照れてる……!






「ねっ、仮の彼氏っていうのはどう?」


そんな堂前にマリアが訊いた


「え?」


「お互いにまだ胸の中には他の子がいるみたいやし、いきなり本気でつきあうのはキツイやろ?」




特に堂前は純情やからな……。



「だから偽物でも、本物でもなく、仮の彼氏!」


「はぁ……。仮と偽では、どう違うん?」


堂前が首をかしげる。




「偽物はただのウソやけど

仮のおつきあいは、まー、お試し期間って感じ?


週に1回ずつ一緒に帰って、お互いのことを知っていき……、

で、受験が終わったら、答を出す」


「答?」


「うん。そのまま本気でつきあっていくのもいいし、友達のままでいようってゆーのもアリで」



マリアがにっこりと笑った。


< 130 / 133 >

この作品をシェア

pagetop