続・心友。~もうひとつの想い~
真面目な堂前の優しさに、
心の中が……ぽかぽかと、温かくなって、
ちょっと泣きそうなくらいにジーンとした……。
「優しいな、堂前は」
マリアが見あげると、
「何それ」
と彼はプイッと横を向く。
プフフ、照れてる……!
「ねっ、仮の彼氏っていうのはどう?」
そんな堂前にマリアが訊いた
「え?」
「お互いにまだ胸の中には他の子がいるみたいやし、いきなり本気でつきあうのはキツイやろ?」
特に堂前は純情やからな……。
「だから偽物でも、本物でもなく、仮の彼氏!」
「はぁ……。仮と偽では、どう違うん?」
堂前が首をかしげる。
「偽物はただのウソやけど
仮のおつきあいは、まー、お試し期間って感じ?
週に1回ずつ一緒に帰って、お互いのことを知っていき……、
で、受験が終わったら、答を出す」
「答?」
「うん。そのまま本気でつきあっていくのもいいし、友達のままでいようってゆーのもアリで」
マリアがにっこりと笑った。