続・心友。~もうひとつの想い~
「じゃあ、本物の彼氏に昇格できるように、がんばらなあかんな」
意外にも堂前はそんなことを言い出す。
「え、昇格したいん……?」
「んー、ちょっと怖いけど」
「何よ、それ?」
「だって、本物の彼氏になったら、かなり振り回されそうやろ? キミに」
「こっちこそ……! 堂前ってようわからんもん。
冷静なインテリなのかと思えば、やたら熱くなって暴走し出すし、
でもやっぱ真面目で、ピュアで、すごく優しかったり……」
「イヤ?」
柔らかな視線がマリアの目の中を伺う。
「ううん、好きやな……」
低くささやかれて、思わそうず言ってしまった自分に、マリアはあわてる。
「ま、まー、そーゆーのを見極めるためのお試し期間ってことで。どう……?」
「うん、いいかも」
堂前が、フ……と優しく笑った。