続・心友。~もうひとつの想い~
「帰るわ。アホらし」
もう会話をやめて帰ろうとする堂前に、マリアが同じ質問を投げた。
「じゃあ、あんたはここで何人とつきあってきたわけ?」
「ゼロ」
振り向きもせずに彼はそう答えた。
プ、と吹きだすマリア。
「ちょっと待って。あんた、ずうっと藍のことが好きやったん?」
横からユキがそう言いながら、堂前の腕をつかんで引きとめた。
その勢いに、思わず彼は小さくうなずく。
「いつから?」
「一年生の途中」
「アホやな。さっさと告白しとけばよかったのに」
「いや……」
そこで彼は口ごもった。
「あの子、苦しそうやったから」
「え?」
「沢渡さんは、男子が苦手なんかと思ってた」
その言葉に、ユキとマリアがまた顔を見合わせる。