続・心友。~もうひとつの想い~

「もうええやん。可哀想やわ、堂前くん」


「は? なんでちょっと堂前寄りなんよ、ユキ」


「だって、切なそうやし……」


ユキがチラッと目をやった先には、傷ついた顔をした堂前が突っ立っていた。


「まー…なぁ」


マリアもため息をつく。




「あー、キミには同情されたくないから」


すると堂前はユキではなくマリアに向かってそう言った。


「は?」


「キミが今までつきあってきた彼氏たちに対する気持ちと、僕が沢渡さんに対して想う気持ちとを、一緒にされたら心外や」




「あー、もう、そんなん言うたらケンカになるやん!」


挑発するような堂前の言い方に、声をあげたのはユキだった。



無言で腕組みをし、堂前の言葉を聞いていたマリアが「ふうん」とつぶやく。


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