続・心友。~もうひとつの想い~

「あー、藍。おはよう。今日はずいぶん遅いねんな」


「へへ、寝過ごした。マリアと会うなんて遅刻スレスレやわ」


マリアのとなりに並ぶように立ち、親友の沢渡藍が自分のロッカーを開ける。




「ほんまほんま。急がなヤバいって」


いつのまにか来ていた、同じく仲良しの葉山ユキも、あわてた声を出した。




「大丈夫、大丈夫。今朝は早めに着いたんやから。あわてない、あわてない」


藍とユキが大急ぎで靴を履き替えている横で、マリアは悠々とそう言った。


ポケットから取り出した手鏡をのぞき込み、手ぐしで前髪を整えている。




「あかんって。マリアも出席点が命やろ。ほら、走るで」


ユキの号令で3階の教室に向かって走りだす。


< 2 / 133 >

この作品をシェア

pagetop