続・心友。~もうひとつの想い~
「あー、藍。おはよう。今日はずいぶん遅いねんな」
「へへ、寝過ごした。マリアと会うなんて遅刻スレスレやわ」
マリアのとなりに並ぶように立ち、親友の沢渡藍が自分のロッカーを開ける。
「ほんまほんま。急がなヤバいって」
いつのまにか来ていた、同じく仲良しの葉山ユキも、あわてた声を出した。
「大丈夫、大丈夫。今朝は早めに着いたんやから。あわてない、あわてない」
藍とユキが大急ぎで靴を履き替えている横で、マリアは悠々とそう言った。
ポケットから取り出した手鏡をのぞき込み、手ぐしで前髪を整えている。
「あかんって。マリアも出席点が命やろ。ほら、走るで」
ユキの号令で3階の教室に向かって走りだす。