続・心友。~もうひとつの想い~
「めっちゃ好きやん、藍のこと」
ユキが思わずつぶやいた。
「キモ……。あいつウチには、すげー感じ悪かったくせに」
マリアはムスッとつぶやく。
ちょうどそのとき悟たちの一行が、ガタガタと立ちあがった。
そうして食べ終わった食器を下げに、通路をこっちにやって来る。
「悟、ちょっと」
通路側に位置するマリアたちの席。
その横を彼が通りがかったとき、マリアが呼び止め、ユキがグイッとその腕を引っ張った。
それからユキは、さっき空いたばかりのとなりの席に自分がずれて、マリアの向かいに彼を座らせる。
「どーしたん?」
いつもとは違うふたりの雰囲気に、キョトンと訊く悟。
「ちょっと、藍のことで話がある」
マリアがそう言うと、悟は前方から振り返って自分を待っている友達に、先に行くように手で合図を送った。