続・心友。~もうひとつの想い~
「もしもストーカー的なことされたらイヤやろ? 念のため、悟も気にしといたってな」
「うん。わかった」
そう答えてから、もう一度、神妙に大きくうなずく悟を見て、マリアは微笑む。
「ホンマに……藍のことが大事なんやな、悟は」
「え」
目の前の悟は、照れくさそうに下を向くと、片手で髪をクシャッとさせた。
真面目な想いに心が暖かくなる。
でも、それと同時に、胸の奥がギュウッと締めつけられて
苦しかったり、する。
イヤやな……。
失った恋にしがみつくのは主義じゃない。
優しいまなざしも
熱い想いも
それが自分に向いていないものならば、潔くあきらめるべし、だ。
そういうふうに生きてきたつもりだった。
恋愛に淡泊だと言われようが、そんな自分が案外気に入っていた。
それが今回に限って、うまくコントロールできない。
心が勝手に反応して困る。