続・心友。~もうひとつの想い~
「沢渡さん」
堂前が声をかけたとき、藍は中腰になり、自販機の取り出し口からミルクティのペットボトルを手にしたところだった。
「へ?」
ふいに声をかけられて、彼女はキョトンと顔をあげる。
「ちょっと……いいかな?」
緊張して言葉が詰まった。
「え……?」
その堂前を見て、藍は小首をかしげる。
彼が誰だかわからないようだ。
けれども、いつかみたいに顔をこわばらせることはなかったので、堂前はとりあえずホッとした。
「え、何? 告白~」と、一緒にいた友達が騒ぎ出す。
それでも気をきかせてくれたのか、笑いながら手を振り、彼女たちはベンチの方へと消えて行った。
藍が不安になってしまう前に、堂前はあわてて話を続ける。