続・心友。~もうひとつの想い~
「この前は大丈夫やった?」
「この前?」
「渡り廊下でぶつかりそうになって、僕、思わずキミの腕を強くつかみ過ぎて……。あれ痛かったんちゃうかなって、あとで気になってたから」
「あー……」
そこで藍は、やっと彼を思い出したようで、初めて表情を明るくさせた。
「あのときの、堂前くんかぁ」
「うん」
藍が意外にも自分の名前を知っていたことが、素直にうれしい。
「全然大丈夫やで。痛くなかったし、むしろ助けてくれてありがとう」
ニコッと笑ってくれた笑顔が眩しい。
「いや」
この顔を曇らせるものがあるなら、そのすべてから彼女を守りたい。
相当マジでそう思える。
「彼氏……食堂で小野寺さんと一緒にいたけど、大丈夫?」
それが思わずそんな言葉になった。