続・心友。~もうひとつの想い~

「客観的に見たら、小野寺さんってそーゆー部類の人間やからな。

恋に奔放で、好きになったら友達の彼氏だろーがお構いなし。

振り回されて、傷つけられるのは、キミやねんで?」


わかってほしくて、さらにたたみかけるように言ってしまう。




フー、と今度は藍の口から、ため息が出た。






「堂前くんって、賢い人なんやろ?」


静かに問う声。




「だったらやめたほうがええで。何も知らんくせに、勝手な想像でひとを中傷するのは」


「え」


「自分の値打ちを下げるだけやから」




マリアのようにポンポンとまくしたてられたわけではないのに、淡々としたその口調には、揺るがない強さがあった。


自分の言葉も、想いも、存在も、完全にシャットアウトされたのがわかる……。




「じゃあ、もういくね」


藍がその場を去ろうと、身を翻す。


「ちょっ、ちょっと待って」


その手首を、堂前は思わずガシッとつかんでいた。


< 48 / 133 >

この作品をシェア

pagetop