続・心友。~もうひとつの想い~
しばらく――
ふたりはそのまま立ち尽くしていた。
堂前は藍の手首をつかんだまま、
藍は、じっと彼の顔を見あげたまま
長いようで短い時間が過ぎる……。
「あのね、マリアじゃないねん」
ポツンと、そう言ったのは藍だった。
「友達の彼氏に手を出すようなことをしたのは、私のほう」
「え?」
「マリアとつきあってた悟のことを、勝手に好きになったのは、私やねん。心の中で想ってるだけなら許されるかなって、マリアの彼氏やのに、私……」
自分を責めるように藍はつぶやく。
「打ち明けずに、想ってただけ?」
「うん……」
彼女は小さくうなずいた。
「だったら別にセーフとちゃうの? キミらがつきあいだしたのは最近なんやし。あのふたりが別れたん、2年のときやろ?」
藍があんまり悲しそうな顔をしているから、思わず2人の交際を応援するような言い方になる。