続・心友。~もうひとつの想い~

「思い過ごしじゃないん? あの子、そんなことするかなぁ?」


それが事実だとしたら、ずいぶん人のいい話だ。


マリアに対する自分の印象とは、かけ離れている。





「マリアはするねん」


だけど、藍はそう言った。




「わたしはいつも、マリアとユキに心配かけてばっかやったから、ふたりは昔のいろんなことも知ってくれていて……。

マリアはそんな私を救ってくれようとしたのかも……」




あの夏、藍の身に起こったことを、マリアたちは知っている。


あいつのケータイをぶっ壊したのは、きっとあの子たちだから。


それまでの藍のことも
そのあとの藍のことも


近くで全部見てきたのは、あの子たちだから……。




そのことに堂前は思い至った。




「でもそれ、小野寺さんに確かめたわけじゃないんやろ?」


< 53 / 133 >

この作品をシェア

pagetop