続・心友。~もうひとつの想い~
「わかった」
短く答えて、もう一度藍を見た。
「堂前くん、今の話……」
「うん、誰にも言わんから」
「ありがと」
潤んだ目が、そっと微笑んだ。
「答えは自分で探してみる」
静かにそう言って、藍がキュッと唇を結ぶ。
「がんばれよ」
心から、そう言えた。
「堂前くんって、誰かに似てるなぁ」
それから藍は急にそんなことを言った。
「えっ」
一瞬ギクッと、身構える。
「誰やったかな? さっきから思い出せそうで思い出せなくて。えーっと……もう少しで出てきそうなんやけど」
「あー、俳優の○○に似てるってよく言われる」
あわてて顔をそむけ、何度か言われたことのある名前を出した。
藍に、あんなやつの顔を思い出させるわけにはいかないから。
あの夏以来、藍を苦しめている従兄・楡崎の顔を……。