続・心友。~もうひとつの想い~
「あの子、堂前征矢やん。知らんの、あんたら」
マリアの思考を遮るようにユキが言った。
「「堂前征矢?」」
「ほら、学年トップの秀才。特進クラスの中でもずば抜けて頭いいらしいで」
情報通のユキが、当たり前のように話す。
マリアたちの学校には、学年にひとつだけ特進クラスというのがある。
受験勉強中心に特化されたコースで、目指すは有名大学進学、ということらしい。
「ふうん、特進の子なんて知らんもん。地味やし」
「いや、その中にもイケメンがいてんねん。堂前征矢見てなんとも思わんの?」
「んー、顔ちっさーと思ったけど」
興奮気味のユキにマリアが言う。
「やろ? 背も高いし、めっちゃモデル体形やんなぁ。顔もキレーし」
マリアとユキがそう話す横で、藍がつぶやいた。
「そう言えば学年にひとり、すっごい賢い子がおるって聞いてたけど、あの子やったんかぁ」
「そうそう、それそれ。この前の模試で、堂前ってばT大の合格率、なんとA判定やってんで」
ユキが得意げに話す。