続・心友。~もうひとつの想い~
改めて相手の顔を見る。
「なんで、それを……」
悟は震えそうになる声を抑えながら、そう訊くのがやっとだった。
しかし堂前は何も答えず、眉ひとつ動かさないで、そんな悟をじっと見つめていた。
「知ってるん……やな?」
逆にそう訊かれる。
メガネの奥から放たれる冷やかな視線が、何を求めているのか、理解できない。
「赤外線できる?」
不意にケータイを手にして、堂前が言った。
「え、はい」
悟もポケットからケータイを取り出す。
「キミに見せたい画像がある。キミに送れば、こっちのは消去しておく。一枚しかない写真や」
「はぁ」
ケータイを合わせて通信が完了すると、堂前はまた悟を見据えた。
「放課後、西棟の屋上で待ってる」
そう言い残し、立ち去る背中を眺めながら、悟はつぶやく。
「あいつ、何……?」