続・心友。~もうひとつの想い~
「は? そんなん言うてきたら、ウチが許さん」
マリアはギュッと拳を握る。
「いや」
でも悟は、堂前がそう出ることも想定済みなのか、小さく首を振り、こう答えた。
「とにかく冷静に対処しようと思ってる。
あいつが画像を持ってる限りは、いったん服従せなあかんかもな」
「えっ、あいつの言いなりになるってこと?」
ユキが声をあげた。
「画像を全部処分するまではな。
言うことをきくフリをして油断させて……いろいろと聞きださなあかんねん」
マリアは悟の顔をじっと見つめる。
何かを決意したような大人びた表情。
マリアの知らない悟だった。
「少し日にちがかかるかもしれへんけど、絶対に俺がなんとかする。藍にも、他の誰にも……、あんなものは絶対に見せへん」
自分に言い聞かせるように、悟は言った。
一途な悟が、その画像の中の藍を見て、どんなに傷ついたのか、マリアには想像できる。
優しい彼がその悲しみを押さえて、藍を守ることだけを、
必死に必死に考えたのだということも……。