続・心友。~もうひとつの想い~
「あー、気がついたん?」
明るい声があがり、真上からかぶさるように、誰か顔をのぞいてくる。
堂前が薄目を開けると、ものすごく近くに、美しい顔があった。
小野寺……マリア?
いい匂いがする。
「ほんまに大丈夫なんかな?」
などとつぶやきながら、冷たい指が頬に触れ、吐息が顔にかかった。
鼻先同士がぶつかりそうだ。
思わず目を閉じ、堂前はやっと小さくつぶやいた。
「近い…ねんけど……」
「ん? 何?」
聞こえないのか、マリアはさらに距離を詰め、堂前の口元に、自分の耳を寄せてくる。
「マリア、なんでここにおるん? 藍は?」
堂前が答える前に、頭上で悟の声がした。
「藍はユキが連れて帰ったよ。ウチはあんたの係。悟が逆上して暴走せんように見張ってんねん」
立ちあがって、マリアは悟に向き合う。
「は? 大丈夫やのに、俺」
ボソッとつぶやく悟。