続・心友。~もうひとつの想い~
「全然大丈夫ちゃうやん! ウチが来ぇへんかったら、あんた、人殺しになってたかもしれへんねんで」
マリアが大きな声をあげた。
「あれぐらいで死なんわ」
悟がムスッと言い返す。
そんな悟を見て、マリアがあきれたように、ため息をついた。
「誰よ、とにかく冷静に対処する、って言うたんは?」
「だってな、こいつがあんまりひどいこと言うから……」
まだ悔しそうに、悟は拳を握り締める。
「それはウチも、そこの扉の裏で聞いてたけど」
そう言いながら、マリアはもう一度堂前の横にしゃがみ込んだ。
「ちょっと堂前、ケータイ見せてな」
それからマリアは無遠慮に、のびている堂前のズボンのポケットに手を突っ込んで、ケータイを取りあげた。