淋しいお月様
「今は、お腹重い~動けない~って、それを理由にしてるけどさ」

ちろ、と舌を出してクマさんは笑う。

「今、何ヶ月だっけ?」

「7ヶ月。あともう少し」

「そうか~。元気な赤ちゃんだといいね」

「そうね。将来は家事をしてくれる小学生になってほしいわ」

「あははは」

家事が苦手でも、ズボラでも、ちゃんと結婚はできるんだ。

私でも大丈夫なんだ。

結婚――誰と?

不意にそんな考えが過ぎった。

静哉と?

静哉は音信不通。

しかも、私が生活力ゼロなの、知らない。

もし静哉と一緒になっても、彼が料理とか掃除とかしてくれるひとなのかも、知らない。

何だか急に孤独になった気がした。

私、結婚できるのだろうか。

静哉と? ――誰と?
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