淋しいお月様
「ユアさんは、どれくらい彼氏いないの？」

「タクミが彼氏だもん」

さらっと云ってのける彼女。

「そうでなくて、リアルに」

「リアルにか～。３年？　くらい？」

「どうして別れちゃったの？」

「ん～。私がタクミタクミってうるさいからさ。タクミと俺とどっちが大事なんだ、みたいなこと云われてさ。即座にタクミ、って答えて、それで、終わった」

そこまでセイゴさんに入れ込んでるのか……。

「それからあたらしいラブはないの？」

「ないよ。私って結構モテる方なんだけど、どれもこれも言い寄ってくる男はタクミ以下。タクミ以上の人でない限り、おつきあいしようとは思いません」

自分でモテるって自覚してるのに、タクミのことになると周りが見えなくなるのか……。

「そんなにいいの？　タクミさんって」

「最高の殿方よ」

満面の笑みで云うユアさん。


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