淋しいお月様
私のこと、好きだって。

気になってたって。

どうだ、静哉。私だって、隅におけないんだぞ。

静哉が放っておいてるうちに、私、他の男のひとのものになっちゃうぞ。

私はそのコンビニでまた“いつもの”ビールを買って、近くの公園に行った。

定位置のブランコに座る。

マックの包みを開け、齧りついた。

この公園で、雨の日セイゴさんに拾われて。

常連のマックの店員さんに告られて。

世の中、どこに出会いがあるのか、解ったもんじゃないね。

今日のお月様は、三日月でウインクしているように見える。

“GOOD LUCK”とでも云っているようだ。

あたらしく入った彼のメアド。

何て返事をしようか――。
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