淋しいお月様
お友だちって云っても、彼は大分年下みたいだし。

可愛い弟って感じかな。

悪いけど、恋愛対象にはならないよ。

私はビールをぐいっと飲み干した。

酔いが回ってくる。

あ、セイゴさん、今頃どこにいるんだろう。

いつも聞いているあの声が懐かしく思える。

連絡とろうにも、彼の連絡先知らないしな~。

教えてもらえないんじゃなくて、教わるきっかけがなかっただけ。

だって、いつも傍に彼がいたから。

携帯で連絡なんて、とらなくてもよかったから。

酔っ払ってひとりだと、やっぱり誰かに連絡をとりたくなる。

私は先ほど自分のスマホに新入りした若森さんのアドレスを開いた。
< 164 / 302 >

この作品をシェア

pagetop