淋しいお月様
「ね。楽でしょ」

そう言って笑う若森くんの目が――笑っていないことに気づいた。

あれ? 何だろう。

「DVD、つけるよ」

「あ、う、うん――」

彼がリモコンのスイッチを入れる。

ぱっと画面が映る。

「あふ~~ん」

私はぎょっとした。

女のひとが、裸で――。

これって、AVじゃないの。

間違ってつけちゃったの?

私は焦って、若森くんを見た。

すると彼は動揺した様子も見せず、ぎらぎらした目で私を見返してきた。

「わ、若森くん……?」

私が声を発すると、彼はいきなり、私を押し倒してきた――!
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