淋しいお月様
宅飲みワインで淋しい
それにしても、いつになったらこんな淋しい生活から逃れられるのだろう。

家に帰っても、”おかえり”と云ってくれるひとはナシ。

ご飯を用意してくれているひともナシ。

お風呂を沸かしてくれているひともナシ。

お酒の相手をしてくれるひともナシ。

ほんと、実家暮らしは快適だったのだな、と、母親の偉大さを知る。

だけど、静哉を追っかけて東京に来たのをきっかけに、実家の両親とは疎遠になってしまった。

結婚を前提に……そんな言葉もなしに、ただひたすらに静哉だけを追って、上京したのだ。

しかも、私は仕事を辞めてまで。

派遣社員になって、給料も今までの3分の1まで減ってしまった。

朝ご飯は食べないし、お昼ご飯もコンビニのおにぎりと、ただで恩恵を受けさせてもらっているおでんのおつゆだけだし。

夜はマックのハンバーガーと、これだけはお金にいとめをつけないお酒だし。

私の人生、一体何なんだろう――。
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