淋しいお月様
鍵を開け、自分の家に戻る。

そこには、廊下の洗濯機のそばに散乱している脱いだ服、下着。

キッチンは綺麗だ。何も手をつけていない――自炊していないのだから。

キッチンから部屋に入るドアをあけると、まるでジャングルのようだった。

脱ぎ捨てられた服、まだ目を通していない、一週間分の新聞。

読みっぱなしの漫画の幾多。

画鋲の落ちたカレンダー。

封を開けていない、DMの山。

ほんと、片付けって面倒。

掃除機だって、家にはない。

いつもフローリングの部屋にはクイックルワイパーをかけようと、近所のホームセンターで買ったものがあるけど、使わずじまい。

ワイパー自体が、埃を被っているという状態だ。
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