淋しいお月様
はぁ。

私は何だか、脱力した気分だった。

せっかく仕事辞めて、東京まで追っかけてきたのに。

その糸が、ぷつりと切れちゃったよ。

こういう日には、やっぱり月見酒がしたくなる。

ひとりで家で飲むのは淋しい。

だから、お月様と一緒に過ごすの。

私はお酒を買って、コンビニから出ると、ため息をついた。

――また、元通りだ。

淋しい気持ちが湧き上がってきた。

静哉とは、完全に切れちゃったし。

セイゴさんは傷つけちゃったし。

私、東京にいる意味、あるんだろうか。

田舎に帰って、お見合いでもしようかな。

だけど、彼氏を追って東京まで来たんだ。

家族の反対を押し切ってきた。

だから、田舎に帰っても、親は受け入れてくれないだろうな。

私の居場所は、どこにもない。

あの公園の、ブランコしかない――。

そう、とぼとぼと公園に向かっていった。
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