淋しいお月様
連れてこられたのは、小さな部屋だった。
ベッドと、それから大量の本棚があるところだった。
「天野さん。念のため、マスクつけてね。あ、付き添いの方も」
看護師さんはそう云って私にマスクをつけてくれた。
「早めに診察するよう、言っておきますから」
そういい残すと、彼女は部屋を出て行った。
「横になりな。せっかくのベッドなんだから」
お兄さんはマスクを装着しながら、優しく言ってくれた。
「うん……」
私は上半身を起こしているのがきつくて、言われたままにした。
ベッドに横たわると、無重力状態のようになった。
さっきまで、体が重くて重くて仕方なかったのに。
お兄さんは、白くて清潔な毛布を私にかけてくれた。
「眠ってな」
「……眠くない」
「目、つぶってな」
「うん……」
ベッドと、それから大量の本棚があるところだった。
「天野さん。念のため、マスクつけてね。あ、付き添いの方も」
看護師さんはそう云って私にマスクをつけてくれた。
「早めに診察するよう、言っておきますから」
そういい残すと、彼女は部屋を出て行った。
「横になりな。せっかくのベッドなんだから」
お兄さんはマスクを装着しながら、優しく言ってくれた。
「うん……」
私は上半身を起こしているのがきつくて、言われたままにした。
ベッドに横たわると、無重力状態のようになった。
さっきまで、体が重くて重くて仕方なかったのに。
お兄さんは、白くて清潔な毛布を私にかけてくれた。
「眠ってな」
「……眠くない」
「目、つぶってな」
「うん……」