淋しいお月様
朝の10時。

私は目を覚ますと、体が軽いことに気がついた。

よいしょ、とベッドから上半身を出してみる。

だるさもない。

ゆうべのセイゴさんのシチューと薬が効いたのだろうか。

と、私は部屋の中を見渡し、ぎょっとした。

誰もいないはずの部屋に、セイゴさんがいたからだ。

フローリングの上に横になって、すうすうと彼は寝息をたてていた。

「セイゴさん……?」

私は小声で名を呼んだ。

返ってくるのは、心地よさそうな寝息ばかり。

一体いつの間に帰って、いつの間にここに戻ってきたのだろう。

ってか、セイゴさん、お仕事は?
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