淋しいお月様
今日はいい日だった。

友だちができた。相田ユアちゃん。

友だち記念日だ。

今日こそ、久しぶりに楽しく公園ビールができるなぁ……なんて思っていたけれど。

思い出した。

家には、セイゴさんがいるかもしれない。

鍵も渡していないから、きっといるに違いない。

確認しようにも、私は彼の携帯の番号もアドレスも聞いていなかった。

私はいつものマックをパスして、でもコンビニにはちゃんと寄って、お酒を仕入れてから足早に自宅へと戻った。

部屋の前に立つ。ドアノブを回してみる。

やっぱり、鍵はかけられていなかった。

「ただ……いま」

ただいま、なんて言ったの、一体いつ以来なんだろう。

自室に入ると、キッチンからいい香りが漂ってきた。

「あ、おかえり~」

セイゴさんがキッチンに立って、何か料理をしていた。

上半身だけこちらへ遣して、笑顔で迎えてくれた。
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