お姉ちゃんの憂鬱

逆に理解力があるのはまどかだ。

頭が柔らかいのか何なのか、新たな問題や公式を読み解き理解する力はまどかが一番高いと思う。


その反面、暗記がとことん嫌いで暗記を要する科目は本当にできないと言っていた。



さぁちゃんは、どれも要領よく無難にこなすタイプで、程よく頑張ると言うことをうまくやってのける。

自分に必要なモノを必要な分だけモノにするから、一番燃費がいいのはさぁちゃんだろう。




そして直くんだか…


「僕課題のなに一つとして手を付けてないので、みんなで頑張りましょう」


「いや自分の課題は自分でやれよ。みんなも自分の分だけで手一杯だ」


「そんな!メグくん、僕は一から手伝ってもらえないと頑張れない人間です」


「とことんダメだなお前。自分でできるところは自分でやれよ」


「課題が全部ハリーポッターに関するものだったら僕に任せろと言えるんですが、あいにくそうではないようなので、全面的に助けてください」




……直くんは、自分の興味のあるものについてはこれでもかというほど語れるが、興味のないモノに関しては全くと言っていいほど脳みそを使わない男だ。


教室で常に座って本を読んでいた直くんであるが、その本の内容はほとんどが胸躍るファンタジーで、特にハリーポッターは外せないのだと以前力説された。





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