お姉ちゃんの憂鬱

「じゃ、後でまたお迎え来るからね!部活一緒にいこうね!」


「大人しく待っててやるから、早くいきなさい。授業遅れるぞ。」


「うわ!予鈴なった!ばいばいかなちゃん!」



そう言って走り去っていくミカン頭。

昔からあーゆーところが犬みたいなんだよなー。

絶対あいつご主人様が帰ってきたら玄関で飛びつくタイプの犬だよ。しかも大型犬。



そんなくだらないことを考えていると、山城さんがのんびり廊下を歩いてくるのが見えた。

耳にはヘッドホン。

いっつもなに聞いてんだろうな。



出て行ったとき同様、颯爽と自分の席に向かう山城さん。

みんなどこかそわそわしてて、視界の端に山城さんを捉えているだろう。


次いで教室に入ってきたのはさぁちゃん軍団。


やはりみんなさぁちゃんを気にしている。



やだなあこんな雰囲気の中で授業受けるの。


チャイムがなる一分前。前のドアから次の授業の担当の先生が入ってきたが、クラスのいつもよりどこか堅い雰囲気に戸惑い気味だ。



「ねぇ。」


先生に気を取られているうちにいつの間にかさぁちゃんが山城さんの席の前に立ち、思いっきりガンつけていた。



< 13 / 335 >

この作品をシェア

pagetop