お姉ちゃんの憂鬱
「なんでうちなの?」
そんな流れで勉強会が開かれることとなったわけだが、なぜかその会場に三船家が選ばれてしまった。
「なんとなく?」
「かなの家行ってみたいってだけー」
「みんなの家の中間地点がお姉ちゃんの家だったからということにしておきましょう」
おい、しておきましょうじゃないよ直くん。
完全に今作っただろうがその理由。
「まぁ、別にいいけどさ。うちに来るからにはちゃんと勉強することになるからね、直くん。途中で遊んだりさせないからな」
「……の、望むところです!言われずともその覚悟はできています」
「じゃ、まどかに連絡入れとくねー」
ふらりと入った前回と同じファミリーレストランで各々好きなモノを食べながら決まったことなので、先ほど帰宅したまどかにも連絡を入れる。
「日にちは?かなの家の都合とかあるよね?」
「明日から始めましょう!」
「うちはお盆とかじゃなければ基本大丈夫だよー。てか、明日からって何さ、毎日やるつもりなの?」
「お姉ちゃんはあの膨大な課題を一日で片づけるというのですか」
「マジ?香奈子チャレンジャーだな」
「いや、自分でできるところは自分でやっとくでしょ。さすがに一日じゃ終わらせられないよ」
「まぁそれもそうだよな。つかオレもう3分の1くらい終わってるし」
「メグえらいなー!3分の1とかマジかよ!直くん聞いた?」
「メグくん、3分の1終わってるだなんて変態ですね。もうそれは変態ですよ」
「てめ、もう直江には何一つとして見せないと決めた」
「メグくんそんな殺生な!お姉ちゃんも言ってやってくださいよ」
「今のは完全に直くんの失言なので、フォローはしません」
「…お姉ちゃんにまで見捨てられたら僕はもう課題を完成させることを諦めるしかないですね」
「なんでそうなる!!」