お姉ちゃんの憂鬱
「お邪魔しまーす」
本当に次の日にうちに来ることになってしまい、いつもの待ち合わせ場所からみんなを引き連れて家に帰ってきた。
今日は遥香も部活が休みらしく、うちにはは遥香とまさえが待ち構えていた。
「ようこそ。みんなで勉強だなんてエライのねー」
世話焼きまさえはすでにお菓子飲み物の準備を完成させていて、遥香はリビングのソファーに座ったまま横目でみんなをお出迎えだ。
「この子、弟の遥香」
「……ようこそ。姉がお世話になってます」
それはなんか違うだろうが。
なんでちょっと不貞腐れてんだ弟よ。
「へー、弟くんおっきいねー!中学生なんだっけ?」
「中3だよー。受験生だからみんな邪魔しないように。もしかしたら来年後輩になるかもなんだからなー」
第一志望にうちの高校を挙げている遥香。
志望動機があたしがいるからなんて言われてしまっては何も言えない。
まあ、遥香の学力があればうちの高校なんて余裕なんだろうけど。
誠でさえ入れたんだから。