お姉ちゃんの憂鬱

あたしの部屋で勉強開始と言いたいところだけど、この大きさのこの人数ではさすがに狭い。

机のスペースの取り合いになってしまう。



なので、大人しくリビングのローテーブルと食卓を使って広々とやることにした。

ちょうどまさえはこれから町内会の話し合いで出かけるようだし、遥香は自分の勉強をやると部屋に引っ込んでしまったので問題はない。




「じゃあ、始めますか。とりあえず2時半までは集中して進めるってことで」


ちなみに今の時間は1時をちょっと過ぎたくらい。




「お姉ちゃん、そんなに長く集中できません」


「…直くん、くれぐれも他の人の邪魔はしないようにしてくださいね。では始めましょう」


「聞き入れてもらえない……」


「直江、香奈子の家でやるなら遊ばせないって言われてただろ。大人しく問題を解け」


「そうそう、一番進んでないの直江くんなんだから、がんばりなよ?」


「かーちゃんが直江に厳しいのって珍しいな。ま、がんばれ」


「…味方がいない、だと…?」



「はい、遊んでないで始めてくださーい」



今日は直くんに優しくしている暇はないのだよ。

なぜならあたしも結構切羽詰ってるからね。





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