お姉ちゃんの憂鬱

「うちに来たら途中で遊ばせたりしないっていったよね?」


「…ごめんなさい」



明らかにしょぼーんとしてしまった直くんにため息を一つ。

そんなに素直に謝られると怒るに怒れないじゃないか。



「一回休憩にしよっか。お母さんが用意していったお菓子でも食べよ?」



集中出来ない状態でだらだら続けても意味ないからね。

また遊びだすだろうし。



「そうしましょう!僕も準備をお手伝いします」


「うん。ありがとう直くん」



勉強以外ならなんでもいいのか、やる気を出して立ち上がった直くんに習ってあたしも立ち上がり、二人でキッチンへ向かう。


キッチンにはまさえが準備してくれたお菓子と、手拭きまで丁寧に置いてあった。

うちに友達がくると言うのも珍しいから、無駄に張り切ってしまったんだろう。



「直くんはお手拭きもってって」


「はい。承知しました」



リビングのテーブルの上を片付けてお菓子を置く。

現在の時間は2時30分。

なんだかんだで予定通りだ。




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