お姉ちゃんの憂鬱

その後も勉強と休憩を繰り返し、時計の針が6時を指したところで勉強会はお開きとなった。


うん、なかなか進んだんじゃないのこれ。

このペースで真面目にやればあっという間に終わりそうだ。




「お邪魔しましたー!」と元気に挨拶をして帰って行ったみんなは、ちゃっかり次の約束も取り付けていった。


3日後、また同じ時間に来るそうだ。



「姉ちゃんの友だち、仲いいんだね」


「そうだねー見ててすごく楽しい」



途中で帰ってきたまさえと、みんなが帰るのを見計らって自分の部屋から出てきた遥香とあたしの三人で、リビングで一息つく。



「あ、もしかしてうるさかった?休憩のときとか結構騒いじゃった」


「ううん。大丈夫だよ。オレも休憩しながらだったし、勉強してる時はすごく静かだったし」


「そっか、ならよかった」



受験生の可愛い弟の勉強の邪魔なんて絶対にできないよ。

申し訳なさすぎる。



「香奈子があんなにいっぱいお友達連れてくると思わなかったからびっくりしちゃった」


「あたしも自分の家に連れてくることになろうとは思ってなかったよ」



しかもあんな不思議なメンバーをね。



「あ、姉ちゃん、ケータイ鳴ってる」




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