お姉ちゃんの憂鬱

それから3日後。
またもやぞろぞろとやってきた一団。



夏も本番、今朝のニュースじゃ昨日は今年の最高気温をたたき出したとかなんとか。


そんな外では真夏の日差し照り付ける今日、家にこもって勉学に励むあたしたちは真面目なんだか不健康なんだか。



ビービービーと鬼気迫るアラーム音が鳴り響いたリビングでは、各々集中していた糸を断ち切り思い思いに伸びたり倒れ込んだり呻いたり立ち上がったり。




「時間ですね。お茶にしましょう」



そんな中、即座にキッチンへと向かったのはもちろんファンタジー直くん。


うちのキッチンのはずなのに、家主より先に向かうとはどういうことだ。




「直くんは一応お客さんなんだから、座って待ってていいよ?」


「いいえ。働かざる者食うべからずですから」



こういうところ、律儀なんだよなー。

小さめの籠に入ったお菓子を直くんに持たせて、あたしはお盆に乗った麦茶を持つ。



「結構進んだ?」


「半分くらいまでは終わったんじゃないかと信じています」

確認はしてないのね。



「じゃあもう一回くらいやれば終わるんじゃないの?」


「一回では到底無理です。まだやりましょう」


「家に帰ってから進めればいいじゃん?」


「家では今ハリーポッターを一から読み直しているところなのでダメです」


「…またそんなこと言って…課題終わるまでハリーポッター禁止とかにすればすぐに終わらせられるんじゃないの?」


「そしたら僕はきっと禁断症状に悩まされます」


「それはそれで見てみたいな」




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