お姉ちゃんの憂鬱
◻︎青の襲撃
海に行くと言う話が出た一週間後。
今日は計画決行の日なのであります。
「全員集合ですね。では出発進行です」
いつだか聞いたようなセリフで出発進行したのは我が一団の先頭だけ。
「あれ?みなさん出発しないんですか?」
全員集合とは言っているが、一番遅れてきたのはこの張り切って先頭を行く不思議っ子だ。
「直くん、出発の前にみんなに言うことあるんじゃないの?」
毎度のことだからもう言うまいと思ったが、今日は誠も遥香もいるのだ。
しっかりダメなことはダメと言わないとな。
「遅刻してしまってすいませんでしたと言えば満足ですか」
へいへいまさかの切り返しだよこの子。
「こいつ本当にダメ野郎だな」
「嘘です。本当にごめんなさいお姉ちゃん。深く反省しています」
メグに一蹴されると途端に素直に謝る直くん。
最初からちゃんと謝ってれば別になんの問題もなかったのに、本当に不思議なことするよこいつ。
そして最終的にあたしにしか謝ってないし。
「直くん、あたしにもだけど、他の待ってた皆様への謝罪と感謝の言葉は?」
「みなさんお待たせしてしまってすみませんでした。あと、待っていてくれてありがとうございました。海に行くのが楽しみすぎて昨日眠れず、ついつい寝坊してしまったそんなお茶目な僕を許してください。」
…なんだろうこの腑に落ちない感じ。