お姉ちゃんの憂鬱

「なに、香奈子具合悪いの?」

「ううん。別に何の異常もないよ?」



誠の反対隣りからにゅっと出てきたメグとまどか。


なんでみんなそんなにあたしの心配するのよ。


あたしそんなに病弱キャラだったっけか?
むしろたくましいだろ。



「弟くんもペットもかーちゃんのこと大好きすぎるだろ。なんつーか甘やかしてるよな、かーちゃんのこと」


「そんなのあたりまえじゃないですか。いつも甘やかされている分、オレも姉ちゃんのこと甘やかすんですよ」


「…愛されてんのなお前」


「…まぁな」




ちょっと引いた目でこっち見るのやめてくれるかなメグくんや。



「……なんでもいいですけど、吉岡先輩たちの登場によって俺とかなちゃんの愛の時間が奪われたんですけど!横取りですか邪魔しないでくださいよー!」


「なんだよペットのくせに。なんなら香奈子ごとまるっと横取りしてやろうか?」


「え?!なんすかそれ?!どういう意味?!」


「あら何よメグったら、随分イケメンみたいなセリフ言っちゃって」


「どういう意味って、そのままの意味だけど?香奈子、ときめいた?」


「なんであたしがあんたにときめかなきゃいけないのさ」


「そこは素直にときめいとけよ」


「きゃーメグったらいっけめーん」


「なはは かーちゃん絶賛棒読みだな」


「何だろうこの馬鹿にされた感」


「ちょ、かなちゃん!今そんなふざけてる場合じゃないよ!吉岡先輩!なんなんすか一体!」



わあ結構ガチめで怒られたぜ。


こいつは冗談が分からないから困ったもんだ。

メグの冗談なんか真に受けちゃって。




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