お姉ちゃんの憂鬱
すっきり笑顔で二人に言うと、それこそ「え?」っていう顔であたしを見る。
二人とも同じように嫌な思いしたんだもん、おあいこでしょ。
「これでこの話おしまい。本村さんは席に戻りな?先生が授業始められなくて困ってるからね。」
「…あ、はい。」
素直にうなずいた本村さんことさぁちゃん。
ぶりっ子やめればもっと関わりやすい子だと思うんだけどなー。
「あんたさ、」「ん?」
席に着いた状態の山城さんに下から見上げられる。
本当に美人さんだ。ドキッとしちゃうわ。
「お母さんかよ…」
ハハッと声をあげて笑う山城さん。
超可愛いんですけど!!てか美しい!
「山城さん!!」
「な、何?」
ぐぐっと山城さんに顔を近づけるとちょっと引かれたが、そんなこと気にしない!
「笑った顔、超可愛い!」
「は、え?な、何言ってんの、あんた!」
あ、照れた!
そのあと、山城さんの顔を見つめてにこにこしてるあたしは美里ちゃんに回収された。
そして周りにはなぜか爆笑され、「お母さん」と呼ばれた。
「お母さんはいやだからせめてお姉ちゃんにしてください。」
それからあたしはクラスで「お姉ちゃん」と呼ばれるようになりました。