お姉ちゃんの憂鬱
次の日の昼に海とはお別れして家に帰る。
午前中は飽きもせずに海に挑み、正直昼の時点でぐったりだった。
こうして、あたしたちの夏の一大イベントは幕を閉じた。と、言いたいところだが、結局残りの夏休みも、花火大会やプール、盆踊りなど、夏イベント盛りだくさんで心底疲れた。
まぁ、疲れた倍楽しかったのも事実なんだけど。
「かなちゃん、ちゅー」
「……お前らな、人前では遠慮しろよ」
「メグにはあたしが全力で避けているのが目に入らないのかい?…誠、今はダメだって」
「じゃ、あとでするね!」
「甘ったるいわね…」
「かーちゃん、ペットに対して前より甘くなったな」
「そ、そんなことナイヨ?」
「誤魔化すの下手すぎるだろ」
「かなちゃん、もっと甘くなってもいいんだよ?」
「なってないし、ならないから!」
「かき氷が食べたいです。いちご味」
この夏での変化は、誠が今まで以上に堂々と恥ずかしいことを言ったりやったりするようになったことと、直くんはかき氷のいちご味が好物と知ったことくらいです。