お姉ちゃんの憂鬱
◻︎食欲爆発警報
夏休みが明けて一週間経った。
まだまだ残暑厳しく、今日もあたしたちの上にはギラギラ輝く太陽が憎らしいほど強烈にあたしの頭皮を攻撃してくる。
「かき氷のいちご味が食べたいです」
「学校の購買じゃかき氷は買えないなぁ…」
「直江君、直談判しに行ったら?」
「今更かき氷機導入してくれないだろ。しても来年だな」
「もう職員室に持ち込めば?かき氷機」
「…山さん!ナイスアイディアです明日持ってきます。」
普段あまり表情の変わらない直くんが目を輝かせている。
そんなに好きかいちご味。
そんな夏休みを引きずりまくっているあたしたちは今日も元気に仲良しです。
「…直江、かき氷機もってきても職員室には置かせないからな」
あたしの後ろから現れた胡散臭メガネがそんなことを言った。
まぁ普通に考えて職員室にかき氷機なんて、かさばるし邪魔だよな。
「先生、それは困ります」
「いやオレが困るんだって」
「先生のケチんぼ」
「んだと直江コラ」
直くんの暴言は相変わらずなんか古い。