お姉ちゃんの憂鬱
「みなさん、ここは僕に任せて、先に行ってください。先生のことは僕が抑えておきます」
「別に直くんが抑えておかなくても胡散臭メガネは追ってきたりしないけどね」
「まぁ普通に置いていくわな」
「直江ファイトー胡散臭メガネに負けるなー」
「かな、早く行こう」
「お前ら直江の扱い雑すぎるだろ。てかまだ胡散臭メガネって言ってんのかこの野郎」
課題をやってなかったのは直くんが悪い。
ということで、みんな手を差し伸べることもなく早々に退散だ。
「僕も行きたかったです…」
「直くん、今日は仕方ないから勉強がんばりな。今度またみんなで行こう?」
「はい。絶対ですからね」
無表情なりにしゅーんと落ち込んでいる直くんの頭をわしゃわしゃと撫でて手を振る。
直くんは結構みんなと一緒になんでもしたがる。
遊びはもちろん、勉強の時もそうだ。
修学旅行のストラップをお揃いにしたのもそう。
「絶対だから、また明日ね」