お姉ちゃんの憂鬱

さぁちゃんとまどか、メグと一緒にいつものファミレスに入った。



「あ、かき氷あるよ。しかもいちご」


「あらら、直くん残念賞だね」


「あいつが課題終わらせなかったのが悪いだろ」



口々にそんな話をしながら、各々頼みたい物を決める。

直くんは今頃、胡散臭メガネの皮肉をふわふわとかわしながら課題に取り組んでいることだろう。




「それで、さぁちゃん。どうして急にナンパなんかしてきたのさ?」


そしてあたしは、今日の本題に切り込んだ。

なんだか様子がおかしかったさぁちゃん。


きっと何か重要なお話があってのことに違いない。




「…あー、うん。特になにもなかったんだけどね、ただ放課後暇だったから誰か遊んでくれないかなーって思ってね」


「つまり、かーちゃんが一番暇そうに見えたってことか」

「そういうことか」



…なんでまどかもメグもそんな納得してんだよい。


あたしだって一応部活とかあるからね。

というかいつも部活行ってるって知ってるじゃないのあなたたち。

今日は偶然暇だっただけなんだからねぇ!!



「そういえばさ、女バスって人数足りてるの?一学期の時点でギリギリで、3年抜けたらもう人数いないんじゃないの?」

「そうなんだよねー。あたしいれてぴったり5人」


「それ完全に足りてねーじゃん。香奈子ってマネじゃないの?」


「そうそう。だから、実質4人。でもそれじゃ試合とかできなくて可哀想だからあたしも混ざって遊んでんの」



ついに部内で3on3もできない状況になってしまった。

だからといって男バスと一緒に試合するわけにもいかないため、練習の幅が狭まる一方だ。



「もう正式に選手として参加すればいいじゃん」


「嫌だよそんな。あたしがスポーツにおいて頑張るのは中学までだと決めたの」


「なんで、せっかくできるのにもったいない」


「いいのいいの。それより、メグとかまどかの方が運動神経いいんだから部活とか入ればいいじゃん」



メグとまどかは所謂帰宅部というやつだ。

さぁちゃんは料理部とかいう女子力の高い部活に入っている。

最近あんまり行ってないみたいだけど。




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