お姉ちゃんの憂鬱


「なんでいれてくれないのよー」



仕方ない、これでもかというほどインターフォンを押してやろう。

誠と遥香と一緒にゲームで培ったあたしのボタン連打技術をなめてもらっちゃ困る。



ピンポンピンポンとひたすらボタンと向き合うこと約10秒。




「ごめんわかった!開けるからやめて!」というさぁちゃんの叫び声が聞こえた。


さっきのあたしの声より大きいからさぁちゃんの方が近所迷惑だな。




またもや中で足音が聞こえ、カチャンと鍵が外れる音。

ようやくさぁちゃんの家に潜入できるというわけだ。



しずかに開いたドアの先にはさぁちゃんの困り顔。

可愛い子の困り顔はただ可愛いだけだ。



「なんで閉めちゃうのよお馬鹿」


「だって…本当に今最悪に汚いから…」


「それを片付けに来たんでしょーが。じゃ、お邪魔しまーす」




ということで、さぁちゃん家初潜入です。




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