お姉ちゃんの憂鬱
リビングに散らばるものを集めると、リビングはそれなりの状態になった。
あとはこれを持って、さぁちゃんの部屋に突入なんだが、不安しかない。
「いざ、参る」
「…かな、あたしの部屋見ても引かない?」
「それは見てみないと分からないけど、引かない努力はする」
「う、…やっぱヤダ!無理!そんなこと言われたら見せられないよ!」
「でも片付けするんでしょ?」
「いや、よく考えれば、みんなリビングまでしか入れなければ何も問題ないし、このままでも別に…」
「…さぁちゃん。片付けって言うのはね、先延ばしにしたらしただけ、時間と労力を使うのだよ。今このきっかけで片づけなければ、物は散らかる一方!それを見て気持ちも萎えて、さらに片付ける気力が奪われる!そしてさらに物がたまる!そう、最悪な連鎖の始まりなのだよ!」
「…っ正論過ぎて言い返せない!」
「もう諦めて大人しくお部屋に入れてください」
そう言うと、ようやく観念したのか、静かに動き出すさぁちゃん。
「絶対引かれる、嫌われる、見放される」と鬼気迫る顔でぶつぶつ呟くさぁちゃんに、ただただ不安のみが蓄積されていくのであった。